【映画 明日の食卓】感想。きっとどこかに身に詰まるものがある

3人の石橋ユウ

菅野美穂、高畑充希、尾野真千子

3人の女優が直接絡むことはない。

それでも、3人がそれぞれどこかに居そうな母親をしている。

そして子供の名前が同じだと言う共通点。

子供の幸せ

尾野真千子演じる母親の家庭がごく一般的な家庭になるのだろうか。

母親は専業主婦で父親は長距離通勤とは言え、実家の隣に家を建てて勝ち組としての女性ってことになるのだろう。

そして、子供のユウは優秀であることを信じ、子供に押し付けている。

菅野美穂演じる母親はフリーライターでわんぱくな長男と泣き虫のズルい次男に振り回されている母親。

夫は父親としての自覚、子育てをする自覚がまるでない。

このパターンが一番多いような感じがする。共働きと言いながら、家事は妻がするものと決めつけて、妻も夫に対して要求しているようで感情をぶつけているだけ。

そのイライラを子供が受けていることに気づかない。

お兄ちゃんは母親を気遣っている。だからすぐ泣く弟を黙らせようとするが、それが空回りしている家族。

高畑充希演じる母親はシングルマザーでローンの返済のために昼夜働く。子供はそんな母親を気遣い、母親も子供に気遣う。

それでも子供も10歳にもなるといろんなことに気づき始める。

「自分が生まれてこなければ良かったんじゃないか」

3人のユウに共通する感情。

母親はそんな思いを持つことはないが、子供にはうまく伝わらない。

それが核家族となった現代の弱点じゃないのだろうか。

大家族のとき、母親がどんな怒り方をしてもそれをフォローする大人が居てバランスが取れていたのではないのだろうか?

子育てしない父親に育てられた人間が大人になり、父親になっている今、子育ての仕方を知らない父親が増えているだけなのかもしれない。

そしてそのことでシングルマザーになる母親が増えている。

「少子化対策」と言う前に根本的な部分を考えなきゃいけないんじゃないのか。

一人の「ユウ」くんが母親に殺される。

それは自分だったかもしれない。

親子で観て親子で自分たちはどうだろうと考えるといいのではないだろうか。