【映画 モーリタニアン 黒塗りの記録】感想。私の知らない世界情勢

日本で出版されているのか?

日本でも出版されていた。でも、私は何も知らなかった。「モーリタニアン」という言葉が何なのかも知らなかったわけで。

被告人が証人に?

予告で「被告人ではなくて証人になるのよ」ってセリフが印象的だった。

でも、どういうことなのかわからなかったし、9.11から20年。日本はやっぱりこの辺についてはあまり情報を知る機会がない。

私が興味があるかないかということにもなるとは思うが、それでもやっぱり9.11の裏にあるものがあまりにもわからないのだ。

21世紀になって発生した同時多発テロ事件。ライブでエンパイアステートビルに飛行機が突っ込む映像を見たが、どうにもこうにも意味がわからないのだ。

そして20年経って、こういう映画が公開された。

この映画は何を訴えているのだろう?興味を持った。

モーリタニアンとはモーリタニア人ということだ。はっきり言えば、モーリタニアという国があることも知らなかった。

「モーリタニア・イスラム共和国」

アフリカ北西部の共和制国家とある。

北西にモロッコ、北東にアルジェリア、東と南にマリ、南西にセネガルと国境を接する。

この4国については知っている。が、モーリタニアはほんとに知らなかった。

フランスの植民地ってことでフランス語が出てきたのか。

2009年に大使館が置かれたらしいが。

それでもやっぱりかなり遠い国ということだ。アラブ圏ということで、オープニングの場面はどこの国なんだろう?という感じだった。

そして、そこからキューバのグアンタナモ収容所に収監されてしまうわけで。

モハメドゥ・スラヒ役のタハール・ラヒムとご本人、似ている・・・。

映画では一瞬の出来事になっているが、拷問もきっと想像を絶するものだったのだろうと思う。

それでも3000人もの犠牲者が出たテロ事件ということで少しでも怪しい人は許さなかったアメリカ。人道的ではないことを平気でしてしまう国ではあるが、それを正そうとする動きも日本以上に存在しているように思う。

日本ではきっとストーリーを作ってきっとさっさと起訴しているんじゃないだろうか。

スチュアート中佐が担当したわけだけど(軍人さんが起訴を担当するのね?)証拠を徹底的に洗い直すが、どれも証拠不十分だとする。

弁護士が開示請求をすると今度は真っ黒に塗りつぶされた機密書類。

スチュアート中佐が見たのは、拷問の事実。

裏切り者とされながらも正義を貫いた人が居たことはすごいなと思った。

収監されて8年目でやっと裁判になったもののその頃には収容所での扱いも変わってきてたのはなぜなんだろう?

その頃には「被告人」ではなく「証人」になる可能性があることがわかっていたってことなのか?

そう、「証人」とは拷問を受けたことの事実にたいするもの。

それでもそこからすぐに釈放されることはなかったというのはアメリカという国の闇を感じる。

まぁ生きて帰れて、手記が世界に出版されたことは驚くのだけど。

事実を言っても「事実を言え」と言われる恐怖になぜ勝てたのだろう?

やっぱり神様の存在というのを生まれた瞬間から植え付けられた人は強いのか?

そしてイエス・キリストの教えで拷問の事実を無視出来なかった正義。

なぜこんなに正義が神によって構築されているように見えるのに、闇が深いのだろう?

日本は神の存在はそこまで根付いていない。それなのに、大人になって突然どこぞの神かわからない存在を信仰する人がいることが不思議でならない。

同じような教育を受けているわけで、どうしてそんな怪しい存在に?と思ってしまうことが多々あるが、それでもその信仰で救われている人もいるのだろう。