【映画 凛-りん-】感想。又吉直樹初の長編作品。

タイトルの意味がわからない

劇場予告で観た映像で本郷奏多の影のある演技に引き込まれて何も知らないで観てみた。

そこで又吉直樹が「火花」の前に書いていた作品だと知った。

本郷奏多29歳。まだ学生服が似合います。

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青春映画とはちょっと違うけど

長野の村で起こった事件。

100年に一度5人の子供が行方不明になる。

100年目の年、幼い子どもが行方不明となった。

高校の校舎が木造校舎ってところがとても良い感じ。

机や椅子も昔ながらのもの。まだ現役なのか?

校舎は廃校になっていたものを活用しているのだろうけど、状態がとても良い感じだ。

主人公の高校生耕太役が佐野勇斗。20歳。結構いろいろ出てきている。その母親役が石田ひかり。結婚して子育てして女優復帰って感じかな?でも、姉の石田ゆり子は独身だからなのか?あまり年齢を感じないが、石田ひかりはきちんと年齢なりになっている。

女優だからそれでもいいと思う。

クラスメイトの大仏役が須賀健太。やっぱり上手いなって思う。

難しい役。継母が来て、自分を隠して馬鹿なフリをし、いつも作り笑いで本音を出さないようにしている。

クラスメイトはそれでも頭の良かった大仏を知っていても状況を知っているだけに見守っている感じ。

一番普通で幸せだと思うが、本人は顔も良くないし、成績も良くないし、親の八百屋を継ぐだけの自分と卑下しちゃっている竜二、喧嘩が強いという泰輔。この二人の俳優さんはこれからかな。

かなり目立っていたからほんとこれから活躍を楽しみにしている。

泰輔の父親が片桐仁。

どうしようもない父親。子供にスリや万引きを強要している。

転校生の天童役が本郷奏多だ。

修学旅行の自由行動の計画をグループで決めろという。

誰にも心を開かない天童を入れようとするグループはないが、泰輔が声を掛ける。

そして5人のグループになる。最初は居るだけの存在であった天童であったが、ポツンポツンと言う言葉に重みを感じるようになる。

「全力で生きろ」

この言葉にそれぞれの立場でもがく。

泰輔は父親の悪事の指示を拒否し、殴られる。それに気づく耕太ではあったが、何も出来ない。

泰輔が神隠しにあった事件を解決しようとみんなで現場に行く。

何も手がかりはない。

そうしているうちにもう一人いなくなる。いなくなった神社の神主が堀部圭亮。すごく久しぶり。

最初の子供の親が保健の先生だったということで休職することになり、そのかわりにのぞみ先生役の山口紗弥加が赴任する。

耕太は一目惚れをする。

神隠しの伝説の山で夜を過ごす。

「自分のことを思い出して」と言う竜二に天童は「僕は思い出さない。だって忘れないから」と言う。

その場から大仏が姿を消してしまう。

探していると小屋があり、そこには荷物が散乱している。

それは誘拐された子どもたちの荷物なのか?

耕太は最初に居ないことに気づいたのに冷静な天童に苛立つ。

そして疑う。

次の日、それぞれが思いを持ってその小屋を訪れると荷物がなくなっている。

耕太は天童への不信を募らせる。

そして天童と竜二を残して最初にその場を去ると、今度は竜二が行方不明となってしまう。

しかし、竜二は知らないと言う。

耕太の幼馴染が天童の転校前のことを知って耕太に教えているのを全員に知られてしまう。

「人を殺した」

天童のことを疑う耕太。しかし、家に戻り自分のパスケースにあった写真を見て天童に電話し、神社に呼び出す。

神社には天童の姿がない。電話をしようとする耕太は誰かに殴られ気を失ってしまう。

気を取り戻すとそこには結束バンドで身動きが出来なくなっている大仏と竜二と行方不明となっていた小学生の姿があった。

しかし、そこには練炭が燃えていた。

必死に声をかける耕太。

そこに現れた天童。

誘拐した人間が逮捕され、「天童に頼まれた」と言っていると言うことで、その場で天童が連れて行かれそうになる。

耕太は必死に止める。「天童はそんなことしない」

突然、天童を信じていることを言う耕太。

そこに泰輔が現れ真犯人を告げる。

それは耕太が憧れていたのぞみ先生だった。

のぞみ先生の目的は天童を犯人に仕立て上げて社会的に抹殺することだった。

そこには悲しい事情があった。

子供だから、不器用だから・・・

好きという気持ちをどう相手に伝えていいのか?それの延長のつもりが相手を深く傷つけ自殺にまで追いやってしまっていた。

高校生に見てもらいたいね。

思春期、どうしていいのかわからないという気持ちはわかるけど、それを間違えてしまうと取り返しのつかないことになるってことを知って欲しいね。

高校生。まだ未来がある。

彼らは絆で結ばれた。友達はやっぱり必要なのかもしれない。

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【映画 ねことじいちゃん】感想。猫の映画に人間が彩りな感じ?

岩合光昭さんと猫の世界

立川志の輔さん演じる大吉さん。一緒に暮らしているタマのベーコン。

タレント猫を使っているの?

オーディションがあったんだ。100匹以上の猫の中から選ばれただけあって、とてもふくよかで気品もあって、何よりかわいい。

見ているだけで幸せになるよね。

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登場人物より登場猫

あの島に居た猫は全部がオーディションで選ばれて持ち込まれた猫ってことになるのか?

それにしても猫がきちんと演技をしているように見える。

人間が合わせている部分もあるのだろうけど、タマさんと大吉さんの「間」は素晴らしい。

人間だけのシーンはない。

絶対に猫が居る。

そこに「和み」を感じる。

高校生カップル。島を出ることを決める女子高生とそれをどうすることも出来ない男子高生。

切ないけど、その傍らに寄り添うように居る猫。

猫って演技が出来るのねってくらい、片方の猫がどこかへ行くけど、ついていかずに居るとかすごいなぁ〜って。

島にはお年寄りと猫しかいないような感じ。

それでもそこに柴咲コウ演じる美智子の登場で島全体が活気づく。

会えば喧嘩ばかりのおばあちゃん二人とそっとそれを見守るさっちゃん。

私はこの喧嘩の1人、たみちゃんタイプだな。1人がいいと言いながら、結局は寂しがり屋ってところ。

「ほっといて」思います。

それでも、さっちゃんは二人が本当は羨ましかっただろうな。言いたいことを言い合える間柄は貴重だもの。

さっちゃんをずっと思っている巌役の小林薫さん。

なんだろう?岩合さん作品だけど、人間の感情のジリジリした感じがいい感じ。猫のジリジリよりは簡単なのか?

巌さんは猫を好きじゃないと言うが、寄ってくる猫には自分が釣って食べている魚を喧嘩にならないように与えて自分の分がなくなってしまうという優しい人。

猫はそんな本質を知っているから巌さんの後をついてくる。

幼馴染なんだろう。二人は結婚することは出来ず、それでもお互い気持ちはある。そんな関係がいじらしい。

何かイベントをしよう!とダンスホールを体育館に作ってダンスパーティーをすることに。それはさっちゃんが願っていたこと。巌さんはそれを提案する。

なかなか一緒に踊れない二人。

巌さんが勇気を出して手を差し出し、踊り出す。幸せそうな二人。

次のシーンは・・・

悲しみがあった。

さっちゃんが突然亡くなってしまう。残された人はさっちゃんの可愛がっていた猫のみぃちゃんのことを気にする。

巌さんがいいと大吉さんが提案するが、巌さんは固辞する。

理由は猫だって別れは寂しいはずで1度で十分だと。

年齢を重ねた人々は自分の寿命と猫の寿命を天秤にかける。

もし先に逝けば残されてもので面倒をみていくと言うこととはちょっと違う。

その通りだと思う。

私自身、人生で一番犬・犬・猫に癒やされ、彼らのために自分があるような生活をしているが、次は躊躇する。

猫も犬も好きだけど、それでもわからないから。

大吉さんが倒れてしまって待っていたタマさん。

息子は一緒に暮らすことを望む。「一緒に暮らそう」言われる人は幸せだとは思うが、島でののんびりとした生活から都会のせわしない暮らしで果たして幸せなのか?

これは本当に難しいよね。

息子にしてみたら、身近で面倒を見てあげたいという思いがあるだろうし。

それは自己満足とは言え、この親子はいい関係なんだなって思う。

島で暮らすこと。

島で生まれ育って都会に出て・・・そこに生活の拠点を作ること。必然になってしまっているよね。

7割が猫のシーンと言っても過言ではないかなと。ほんといい感じ。

やっぱりね、人間の感情よりも猫同士の感情のやり取りを見ている方がいいね。さすが岩合さんって思う。

そっか、猫の日が公開初日だったんだ。

多くの人に観てもらえるといいな。

柴咲コウがいい感じで好きが大きくなったわ。

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【映画 翔んで埼玉】感想。地元に近い映画館、レイトショー満席でした。

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あの画像は無断使用なの?

オープニングで魔夜峰央が出てきて、「この物語はフィクションであり、実在の人物・団体・地名とは一切関係ありません」と流れる。

笑い。

満席が笑いで揺れた。

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続くの?

いつだろう?一昨年くらいに漫画をちょっと読んだ気がする。

原作は1982年の「花とゆめ」の別冊冬号から始まったらしい。

うーん、別冊は読んでなかったから知らないな。

今から37年前のものが映画化される時代。

時代が寛容になったのか?

始まってすぐに出てくるのは「お前はまだグンマを知らない」で主演を努めた間宮祥太朗。

埼玉県人ってことで東京で遊んでいると逮捕されてしまう。

しかも

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これがないと駄目らしい。

私は毎日「所沢」から東京へ行っているわけだけど、そんな時代は嫌だなと。

二階堂ふみとGACKT

それにキャラの濃さでは負けない伊勢谷友介。

中尾彬。76歳かぁ〜。もうさ、お元気なこの年代の俳優さんが少なくなってきているから貴重でしょ。

二階堂ふみ演じる壇ノ浦百美の母親役が誰だろう?ってずっと思っていたら、武田久美子だった。え?化粧のせいか?確かに言われてみれば・・・。

GACKTの家政婦役もわからなかった。影の薄い女優・・・誰?みたいな。

益若つばさ。え?久しぶりに見たこともあるし、メイクのせい?私の知っている益若つばさじゃなかったけど。

伝説の埼玉県人の埼玉デュークが京本政樹。ほんと誰が濃い対決でしかないよね。

しかもGACKTと伊勢谷友介がキス始めるわ、驚くわ。

千葉県解放戦線に小沢真珠がいるのはわかった。

あと現代パートのブラザートムと麻生久美子が面白すぎ。

ブラザートムが「ちばらぎが!」とつい言うと千葉出身の母の麻生久美子がキレ気味に「はぁ?今ちばらぎって言っただろ」と言うのが一番好き。

そして島崎遥香演じる娘が「何なの、これ?」って言うのが今どきで面白い。

結納に向かう車の中でご当地ラジオ局NACK5から流れる「都市伝説」ってことで進む。

結納の場所ではなんと結納相手の珍しく普通の役の成田凌が同じラジオを聞いて都心に住むはずが春日部に住むことに。

「クレヨンしんちゃん」くらいしかない。うん。

見どころはGACKT演じる麻実麗が益若つばさ演じる家政婦が埼玉県人だと見つかり捕まるのを助けようとして踏み絵ならぬ「踏み草加せんべい(しろこばと柄)」を踏ませようとする辺りが面白い。

二階堂ふみの「埼玉県人にはその辺の草でも食わせておけ!」もキャラクターままだなって。

まぁ笑える。

単純に笑える。

私は今までで5本の指に入る混雑しているスクリーンで観た。

これが全国レベルではきっとないだろうけど。

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【女王陛下のお気に入り】感想。英国版の大奥かぁ。そうなんだ。

日本の大奥を外国の人が観たら

イギリスはいつの時代も女王陛下がトップなのか?

英仏戦争は女王陛下が操ってたってことなのか?

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歴史知らないから

この映画がどれほど史実に基づいているのかわからないが、イギリスの女王陛下は「美人ではない」ということは事実なのかもしれない。

アン女王(オリヴィア・コールマン)

モールバラ公爵の妻サラ(レイチェル・ワイズ)

サラの従妹だと名乗るアビゲイル(エマ・ストーン)

この3人にあの髪型は何?な男性。

ヨーロッパの人の男性のあのカツラが意味がわからない。

作曲家とかの写真とか見て違和感はあったが、この映画に出てくる男性は与党と野党でズラの色が違うという。

しかも男性も化粧をしている。

そんなものなのか?

アン女王とサラは幼馴染という関係性で、政治的な決定を実はサラが行っている。

そこに上流階級から親のために没落したサラの従妹を名乗るアビゲイルが雇ってほしいと頼み込みに来る。

来る途中の馬車の中、相馬車なのか?突然、目の前の男が自慰行為始めるってどういう状況!?

そして馬車から落ちたドロはほとんど下水状態なのだろう。

8部構成。

まぁ長い。

結局は、アビゲイルの成り上がり物語だ。

自分の身を危険な目に合わせることになってもまずは行動し、アン女王に自分の存在を知ってもらう。

アビゲイルはサラに従順を誓う。

強いカッコいいサラは幼馴染ということでアン女王を操る。

それは、身体の関係も含めて。

それを目撃したアビゲイルはその手を自分も使う。

強気なサラより自分に何も要求しないアビゲイルに心を開くアン女王。

結局は、サラを追い出すことに成功し、侍女の身分ながら結婚することまでをアン女王主導で成功させる。

成り上がりに成功したアビゲイルではあったが、最後には結局はアン女王に膝まずくところで終わる。

・・・

意味がわからない終わり方。

え?終わり?的な。

まぁ女性関係のドロドロ。国は違えど、どの世界でもどの国でもあるんだなぁって感じ。

建物が絢爛豪華?な部分と通路と。

まぁ意味がわからないものね。やっぱり。

ヨーロッパの人が、大奥を観たら、理解できるのだろうか?

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【映画 フォルトゥナの瞳】感想。やっぱり女はズルいなぁ〜。

いろんな意味でズルい

初めて、有村架純を「かわいい」と思った。

すごく可愛らしさが溢れている役なんだと思う。

そして神木隆之介が、神木隆之介がとうとう大人の男になってしまったのね。

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原作が百田尚樹さんってことに驚いた

実は原作があるとは知らなかった。

それが百田尚樹さんの作品ってことでほんと驚いた。

百田尚樹作品のイメージは「骨太」って感じだったから、映画を観た感じでは繊細な作品だなぁって思ったから。

そして志尊淳がすごくやんちゃ過ぎる男の役で最初、実は誰だかわからなかった。

前髪をアップにしているイメージがなかったってこともあるのだけど、LDH系の誰かなのかと思った。

番宣番組には神木隆之介と志尊淳がアツアツだって関係で出てたけど、番組予告には一切出てきてなかったから、共演者だと思ってなかった。

「なんで有村架純じゃなくて志尊淳なんだろう?」って思ってたくらいで。

まぁ男同士で恋人以上に会っている関係って凄すぎるんだけど。若い頃ってそんな感じなのかな?

志尊淳が今出演しているドラマとはほんと違うイメージだから驚く。

そして時任三郎がカッコいいよぉ〜。いい感じでおじさんになっててほんとカッコいいまま。

役柄は社長ってことで従業員に対して切れる部分とかもあるのだけど、それでもカッコ良すぎ。

斉藤由貴がやっと戻ってきた感じがする。去年1年は・・・あまり見かけなかったけど、やっぱり斉藤由貴世代って誰もいないって感じがする。

アイドル世代過ぎて女優さんがいない。

斉藤由貴みたいな雰囲気はどこでもいい感じにフィットする。

そしてDAIGOも柄の悪い役がとても似合っている。最近、城田優かDAIGOかって感じ。

北村有起哉も久しぶりだったわね。重要な役だわね。ある意味。

キャストはとてもピッタリだなって思う。

木山慎一郎役の神木隆之介。シーンは飛行機事故の幼い頃から始まる。

6歳の慎一郎は飛行機事故で奇跡的に助かる。

20年後、時任三郎演じる遠藤が経営する「GARAGE ENDO」で黙々と働く。遠藤は慎一郎に2号店を任せる。

それに反発するのが同僚で先輩の志尊淳演じる金田。

慎一郎に嫌がらせをしたりする。最初の頃は志尊淳だとは本当に思わないくらいのちょっと強面のお兄さん。

でも金田が最初のきっかけになるって言えばなるわけだな。

慎一郎のガラケーが壊れてしまいauショップへ行き、有村架純演じる桐生葵に会うことになる。

ガラケーの修理もディスプレイの補修くらいしか出来ないが、葵が個人的に対応してくれたことで慎一郎は喜ぶ。

慎一郎は葵のことが気になるが、人と交流することが苦手な部類の男性ではなかなか次の1手がさせない。

ガラケーがとうとう誤作動を起こしたことで買い替えを考える。

そこで慎一郎の能力が発揮される。

葵の身体が透けて見える。

葵の運命が見えてしまった慎一郎は勇気を持ってカフェに呼び出す。

そのことで葵の運命が変わった。

葵は後日、慎一郎を探し出し、「自分の命を助けてくれてありがとうございます」と言う。

この言葉の意味は最後まで観なければ、本質がわからない。

その後も慎一郎は見えてしまう他人の運命を自分なりにどうにかしようと対応する。

その代償は自分の身体に戻る。

心臓発作を起こし搬送された病院に居たのが北村有起哉演じる黒川医師だ。

黒川は病院の待合で慎一郎の行動を止める。

「他人の運命を変えるな」

黒川もまたフォルトゥナの瞳の持ち主であった。

フォルトゥナの瞳を持ちながら医師をすることって怖くないのか?とふと思ったけどね。

慎一郎は勇気を持って葵に告白し、二人は付き合い出す。

幸せを感じる二人。未来を生きると。

しかし、慎一郎は自分が見てしまった他人の運命を見殺しに出来ない。

そして最後には黒川に止められながらも自分が被疑者となってしまっても多くの人の命を助ける。

その意味を知る人はきっといない。

大惨事になっていたと想像出来る人も。

慎一郎がいなくなって葵の告白が始まる。

そこで「女はズルいなぁ〜」と思ってしまう。

ズルいわけではない。多分、それが与えられている使命なんだと思う。

男性、女性と言う使命の縮図。

男性は守る。女性は生き抜く。そういう縮図。

いい意味で派手さのない二人の初々しい関係がとても良いのだ。

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【洗骨】感想。理解できる人間ではなかったかもしれない。

風習という日本の文化

奥田瑛二、筒井道隆と言ったら、80年代から90年代にかけてのいわゆる「トレンディー俳優」

その二人が、歳を重ね、いい意味で年齢相応の俳優として居る。

そして監督がガレッジセール・ゴリが本名の照屋年之で脚本から手がけた作品。

よしもとだけど、笑いはあるけど、そうではない日本がある。

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笑いのポイントがわからない

そんなに多くのスクリーンで公開されているわけではない。

だから案外満席。

年齢層は団塊の世代くらいだろうか。

沖縄の粟国島という島。その名前も初めて聞いた。

沖縄に行ったことも行きたいと思ったことも実はない。

どちらかと言えば、自分はなぜか北海道を目指すタイプだからだ。

お葬式の場面から始まっている。

そこに近所の人が物乞い的にいろんなものを物色していく。

それを笑いに取る人もいるが、私はあまりいい気持ちがしない。

そして亡くなった存在はあまりにも大きかったということが全体を通してわかることだ。

妻という存在。母という存在。

妻を亡くした夫が奥田瑛二だ。知らない間におじいさんに近いおじさんになっている。

妻に先立たれた現実逃避をしている夫ということで余計に影は薄い。

しかもアルコールに逃げている。

子どもが筒井道隆と水崎綾女。この二人の年齢差が気になるわ。

この地域の風習「洗骨」は火葬をしない。死者を小さい木箱に入れて風葬にするというもの。

だから木箱も小さく、膝を抱えた状態で収められている。

それから4年。

子どもたちが島に戻る。

父は現実から目を背けたまま、娘が戻って少しだけ我に返る。

その娘がいきなり臨月状態だったから尚更かもしれない。

その聞き方とかがこんなお父さん居るんだろうなぁって思わせる。

男性はなぜ妻が居なくなると腑抜けになるのだろう?妻を母として頼り切ってしまっているからなのか?

そこに兄の筒井道隆も戻る。葬儀に居た妻子の姿はない。

父の姉の存在が大きい。

弟が腑抜けの状態であっても姉として支える。そして姪が突然妊婦姿で登場しても最初は慌てるが、陰口を叩いている地元の人間には毅然とした態度で接する。

長女は美容院の店長との間に出来た子どもだという。が、結婚はしないと。

島から名古屋の美容院で働く中で、技術以上に甘えられる存在を確保したかったという。

わからないでもない。

それが、他の人からみると「なぜ男に責任を取らせない」となるのだが。

突然そこに男が現れる。

久しぶりに見たわ、鈴木Q太郎。ロン毛に変な口ひげのまま、それでも島の常識と本土の常識とのすり合わせをする役どころと言える。

父親と息子の関係も年齢を重ねると変わってしまう。

父親は強い存在であっただろうが、次第に衰えてきて息子の方が強くなる。

父の借金を息子が返したことでより一層父親は息子に何も言えない。

父は妻の死を直視出来ない。

それでも周囲の人の支えで「洗骨」の日を迎える。

島の境で「あの世」と「この世」があるという。

人々が暮らすのが東側。日の出る方で、この世。

西側は死者の世界であの世だという。

幼い子どもも一緒に洗骨を経験していく。

きっと一番後ろで見ていた人がだんだんと前の方へ行き、最後は最前列で執り行うのだろう。

そうやって風習が継承されてきたのだろう。

洞窟の入り口。石が積み上げられている。それを一つ一つ下ろす。

中から木箱を取り出す。

中には風葬されたお骨が。

それを一つ一つ、キレイに洗い流す。

「怖くないんですか?」

火葬でお骨上げをする行為と4年の月日を待って洗う行為と。

「怖い」という感覚はどちらもある。だって、同じようにしていた人がある日突然違う世界に行ってしまい、それまで同じようにしていた肉体が骨だけになるわけだから。

「洗骨」を子どもの頃から一緒にやっていたら、人を敬う気持ちや尊ぶ気持ちやその他いろんなことが育まれるのだろうなぁって思った。

こういう風習を大切にしている地域ではきっとイジメなんてないだろうし、人殺しもないのだろう。

ガレッジセールのゴリが監督になって作品として伝えたかったこと。

それが詰まっている。それは間違えない。

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【映画 七つの会議】感想。サラリーマンだけど、萬斎さんは萬斎さん

現実の社会で今もきっと起こっていること

「七つの会議」原作を読んでなく、そしてテレビドラマ化されたことも知らなかった。

それでも近年、やっと表に出てくるようになった数々の不正行為。

それが起こる闇の構造がわかる。どこでもきっとあることなんだろうって。

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何が悪なのか

営業マンは「売る」ことが仕事でそこにはノルマがある。

そしてそのノルマが達成すればまた次のノルマが積み上がる。

それを獲得するために何が犠牲になる?

自分の時間だったり、家族との時間だったり、そして無理やり買わせてしまうこともある。

断れない人。

「7つの会議」の劇場予告はまず香川照之演じる北川営業部長の「売って、売って、売りまくれ!」というシーンが印象的だ。

そこに会議中なのに高いびきの野村萬斎演じる八角という社員。

北川営業部長のプレッシャーに耐えながら生きているのが、及川光博演じる原島営業第二課課長。

課の売上はいつも「未達」

なぜかどこの会社でもバリバリの営業マンじゃないタイプが上がる。どこの会社でも七不思議なタイプ。

自分が上がるわけではなくて、周りをうまく使うってことなのか?

ある時、片岡愛之助演じる坂戸営業第一課課長は売上は順調。優秀な営業マンだ。

八角の居るのは営業一課。居眠りをしている姿しか見ていない他の社員にとってはなぜ八角が一課にいるのかわからない。

そんな時、坂戸課長が八角の休暇願いを却下し、暴言を吐く。

「パワハラ」って言葉は通用しないと思われている社内で、なんと「パワハラ」で坂戸課長が左遷された。

原島が一課の課長になる。

一課の事務員の浜本は寿退社を控えていた。そんな彼女は無人のドーナツ販売を社内に導入しようとしていた。

しかし、経理は営業課には厳しく、営業課の彼女の提案は認めてもらえない。

しかし無人のドーナツ販売は盛況だ。

経理は営業課を陥れようと書類を探し、八角の接待の伝票を不審に思う。

経理が勝村政信と藤森慎吾って・・・居そうだわ。

ねちっこいというか。

藤森慎吾演じる新田はいろいろ探りを入れる。一課の浜本に話を聞くが、彼女の元彼が新田であり、新田のためにドーナツ販売が認めてもらえないことは明白だった。

そしてそんな新田も左遷される。

カスタマー室長の佐野が岡田浩暉。やさぐれてる〜。

佐野も左遷されてしまう。

何が起こってる?

原島と浜本が調べ始める。

八角の接待先だったねじ工場に居たのが音尾琢真と土屋太鳳。なんかTBSの日曜劇場的な雰囲気。

このねじがこの大きな流れの根本にあった。

2年前に突然切られたねじ六。そしてその代わりに入ったトーメイテックの社長が立川談春。やっぱりTBS日曜劇場だよなぁ〜。

そして親会社のゼノックスの社長が北大路欣也、常務取締役が鹿賀丈史、副社長が木下ほうか、出向で東京建電の副社長が世良公則。

もう凄すぎるメンツです。

世良公則さんがカッコいいのです。

あ、東京建電の社長は橋爪功です。

そして工場は前橋。ちょっと懐かしい風景でした。

すごい俳優陣がほんとにすごすぎます。

そして悲しい事実があり、会社の隠蔽体質の本質もあります。

社長は「守る」ことを考えます。そこには「正義」とかはありません。どこまでも自分たちの利益を守ることなのです。

月90万円のコストダウンのために被った責任は2000億以上。

なんと愚かなのでしょうか?

そして信用も失い、背任で逮捕されるわけです。

八角の守りたかったもの。

それは「正義」だったんだと思う。かつて見失っていた「正義」を取り戻すためにぐうたらに見せながら自由に調査を続けて会社に正義を求めた。

でも、正常な形で会社が正義を見せることはない。

一社員がきっと正義を求めて戦っているんだろうなぁ〜。

どのくらいの人が勝ってるんだろう?

いろんな人に見てもらって特に若い人には今正常じゃなくなっている会社に入った時に「正義」を見失わないように知っておいてもらいたい。

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【映画 雪の華】感想。登坂広臣がカッコ良すぎる。見たら絶対好きになる。

久しぶりに満員だった

誰のファンなんだ?登坂ファン?中条あゆみファン?両隣に人が居て、ひしめきあっているなんてそうそうない。

かなり入っていた。

最初はざわついていたけど、映画が始まると静まり返り、エンドロールが始まるところでまたざわついて、中島美嘉の「雪の華」が始まるとまた静まった。

そして・・・歌の世界観のままだけど、最後はちょっと違う。

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葉加瀬太郎の世界観

フィンランドの映像、また可愛いをコンセプトにした小物。

開始早々は冬のどんよりとした空の下。シーンも病院で余命を告げられるところから。

中条あやみ演じる美雪。自分の過酷な運命に何もかも諦めていた。

そんな彼女のカバンをひったくりが襲う。何もかもなぜ自分に?としか思えない彼女。

偶然通りがかった登坂広臣演じる悠輔が固まってうずくまった彼女を見るに見かねてひったくりの自転車を追いかける。

そしてカバンを取り返して彼女の元に戻ってカバンを渡すが、美雪はお礼を言うことさえ出来ない。

そんな美雪を悠輔は「なぜ助けを呼ばない!」と叱る。助けてと言って助けてもらったことなんかないと悲観している美雪。

悠輔はそんな美雪に「声出せよ。声」と元気づける。

悠輔がクリスマスツリーを抱えていることで冬なんだってわかる。

まぁどんよりとした天気も冬なんだけどね。

春になり、美雪は偶然悠輔を見つけ、後を追いかける。

悠輔は「Voice」というカフェの店員だった。

美雪のことはまるで覚えていない悠輔だった。

悠輔の先輩の岩永がお金に困っていてカフェを閉めなきゃいけないと話をしているのを聞いた美雪はとんでもない行動に出る。

お金をあげるから1ヶ月限定で付き合ってほしい。

先輩のため、また自分のためにお金を受け取ってしまった悠輔は、次の日、デートに向かう。

美雪は生まれて初めてのデートにいろいろな設定を想定していた。

お金で買われた感じの悠輔は「自分はホストじゃない」と言い放つが、美雪は「男らしくない」と相手にしない。

まぁ美雪にとっても初めての恋愛ごっこなだけに遊び人というわけではない人間には大変なんだろうなと。

演技力がない分、ぶっきら棒な感じが素なんじゃないかって感じ。

1ヶ月の恋人。

最初は照れやぎこちなさがあった二人だったが、美雪は自分で契約だと言いながら本気になり、悠輔も意識をし始める。

でも、神様は残酷で1ヶ月の猶予もない状態になり、美雪のしたいことを実行するために急遽フィンランドに旅行に行く。

距離を縮める二人。

フィンランドの景色もとてもキレイ。行ってみたいと思うくらい。

悠輔は契約を伸ばさないかと言いかけたところで美雪に「終わりだから」と告げられ二人の関係は終了する。

美雪は入院して治療に入ることになっていた。

が、その前にもう一度フィンランドにオーロラを見に行こうとする。

田辺誠一演じる医師と会話しているところを悠輔に見られていたこともあり、医師に美雪のことを教えてほしいと頭を下げる悠輔。

医者が患者のことを言っちゃうんだぁ〜な感じはあったけど、この場合はとても良いことをしたってことになるよね。

フィンランドまで飛行機いくらなの?突然行こうとして行けるものなのか?とツッコミどころが満載の中、美雪を追って悠輔もフィンランドへ。

登坂広臣がテレビの番宣で一番過酷だったと言っていた雪の中を走るシーン。

まぁどんだけ長回しだったのでしょうねってくらい長いです。

でも、カッコいいのです。

そして・・・

デニムでフィンランドって自殺行為じゃないでしょうか?

寒そうでしょうがない中、なぜか手袋を外すんです。オーロラが出るのを祈る美雪は。

そして声を出すのです。

「悠助大好き」と。

まぁそこに悠輔が登場するわけです。

そして「付き合うのに内緒にしていることがあるなんておかしいからやり直しだ」と意味のわからない理屈を言い出します。

まぁ登坂広臣そのままな感じじゃないのか?

演技にしちゃあ下手だけど、武骨ながらにいいのです。

そしてオーロラが出るわけです。

しかも赤のオーロラ。

そこでエンドロールになってまぁ幸せのまま終わるのです。

でも、曲の間奏でまたシーンが戻るのです。だからこの映画は最後まで曲を聞いているのがベストです。

フィンランドのシーンには葉加瀬太郎のバイオリンの音色がとても合っていた。ほんと世界観がとても素敵でした。

そして二人の距離感も。

中条あやみがすごくダサい女の子からやっぱり美人に変化するのもすごいです。

あぁ登坂広臣。演技だめだけど、カッコ良すぎるのです。

席の左側は私と同年代の女性1人。右側は口呼吸のうるさいおじさんがご夫婦なんだろうな。どっちが誰のファンなんだろう?

まぁほんと「7つの会議」より入っているかもしれない。

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【そらのレストラン】感想。行ってみたいわ。あの景色。

CREATIVE OFFICE CUE制作企画作品

「しあわせのパン」

「ぶどうのなみだ」

に続いての北海道を舞台とした作品。

サンセットが見える牧場、私も住んでみたい。

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師の存在

チーズを主体とした物語。

物語の最初はホワイトアウトの北海道。

車から降りてスーツケースを抱えて歩く人。

北海道の雪の中、そこは道なのか?って感じで。

牧場の中では牛の世話をする大泉洋演じる設楽亘理。

そこに突然現れたのが、雪の中を歩いてきた本上まなみ演じること絵。

無計画なのか?こと絵は雑誌で見たという「海が見える牧場」を目指して来たという。

冬の猛吹雪の中ですが。

そして、「働かせほしい」と言う。亘理は「特に募集してないけど。まぁ嫁さんになれば働けるけど」と言うと、本当にその気になった二人。

それから10年後になると娘のしおりちゃんが登場する。

大泉洋が本当のパパのような顔になっている。

もうさ、ただのピザトーストがほんと美味しそうなの。

亘理はスーパーカブに牛乳を乗せて配達へ。

大泉洋=スーパーカブ

ってもう20年も前のことなのね。あんなに荷物を乗せているから「ウィリー」しないかと期待していたが、さすがにそんなことはなかった。

向かった先に居たのは、風吹ジュン。珍しく白髪のままだけど、かわいいおばあちゃんそのままですね。

そして、旦那さんの絵を描いている。

旦那さんが・・・小日向文世。小日向さんもいろんな映画に引っ張りだこだよね。

先週はキムタクの相棒役で見た気がする。

今回は、亘理が自分のところで採った牛乳を置きに来て、そのままチーズを押してもらっていた。

「大谷さんのチーズを教えてください」

小日向さんは大泉洋のチーズの師匠だった。

とても厳しい人。褒めることはほとんどないから「いいんじゃないか」の一言でも喜ぶ亘理。

大谷さんの敷地には亘理の仲間が集う。

高橋努演じる野菜農家の富永芳樹。

マキタスポーツ演じる米・大豆農家の石村さん。

石崎ひゅーい演じる漁師の野添隆史。

途中から岡田将生演じる牧羊の神戸陽太郎が加わる。

3ヶ月前に牧羊を始めたばかりの神戸は慣れない土地で亘理に誘われ、仲間となり明るくなっていく。

朝市で自分たちの商品を売っている場所に眞島秀和演じるシェフの朝田が訪れる。

亘理たちの仲間の食材に魅了されていく。

亘理たちは自分たちの食材が朝田によって素晴らしく美味しい料理に感動する。

亘理は自分たちの食材を朝田に料理してもらうレストランをオープンしようと奔走する。

町役場を訪れると担当者が「ミスター鈴井」

おぉ〜ミスターだ!!!

貫禄のある役場の職員になってるよ。

役場は亘理たちの場所の提供を拒否するが、どうにか2ヶ月後のオープンに向けて動き出す。

そんな時、未だに「大谷さんのチーズを教えてください」としか言わない亘理に大谷は「もう来るな」と伝える。

そしてそのまま倒れて逝ってしまった。

突然の師匠の死に直面し、何も出来なくなる亘理。

仲間の存在が居るが、弱い自分に逃げようとする亘理は牧場も手放そうとしていた。

逃げることは悪いことではない。

そしてそれは自分の道だから。

こと絵はそんな亘理を支える。

反対することはしない。

神戸は神戸が牧羊になった経緯を伝える。神戸は都内で外資系のコンサルティング会社でトップ営業マンとして働いていた。

しかしトップになればなるほど、孤独になった。

そして食べているものの味もしない日々に耐えられなくなり牧羊になっていた。

最初は自分の飼育しているラムの料理を食べることも出来なかった。しかし、育てているからこそ食べることが大切なんだということを教わる。

そして自分が育てた羊が美味しいことを知る。

そうすることでもっと美味しい羊にするためにどうしたらと考えるということなんだろう。

ずぼら農家の富永のトマトを食べさせることでラムも臭みがなくなるらしい。

そしてズボラ農家の富永は小さい頃から知っている亘理の逃げ出す性格を非難する。

友人だから。

石村は大谷の死を1人で悲しんでいる亘理に大谷の存在が亘理だけのものじゃないことを伝える。

石村はミュージシャンとしてメジャーデビューを目指して東京へ行き、突然食べ物に対して身体に異変をきたしてきた。

防腐剤とかいろんなものに対して。

そんな自分のために食べられるものを作ろうと思ったことから農家になったが、その土地は元々は大谷さんの牧場だった。

「同じ症状で苦しんでいる人は多いだろう」と譲ってもらったらしい。

そんな人の死。

亘理同様、悲しみは深い。

隆史はUFOを見たことがあるとUFOを呼ぶ踊りを踊りだす。

そんな仲間の思いと大谷さんの残してくれた最後のチーズに亘理は前を向く。

10年もののモッツァレラチーズっていくらくらいするんだろう?なんて思ってしまったわ。

最後は牧場にテーブルを置いた「そらのレストラン」で朝田シェフの作った料理が並べられる。

そしてそこには役場職員のミスターの姿も。

ズボラ農場であることで野菜は本来の強さで育っていき、美味しくなっていく。

ミスターはトマトが嫌いな役だったが、そのトマトの美味しさに魅了され、役場として今後支援していくと申し出る。

北海道にはまだまだきっといろんな魅力がある。

日本海側の景色。

ほんといいなぁ〜。

行ってみたい。

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【映画 12人の死にたい子どもたち】感想。橋本環奈が橋本環奈役?

そこ!私、私!

公開初日のレイトショー。それでもかなり入っていた。

20代くらいの若者が。

12人全員がメジャーってわけじゃないけど、個性が光っていて、これからが楽しみかもしれない俳優、女優陣。

登場人物13人。

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若手ばかりだけどレベルは高い

一昔前、この年代を集めて映画を撮ったら、大根がまじってりしていたものだけど、この映画は主演が誰なのか?最初はわからなかった。

今週になって番宣に杉咲花がかなり登場して「主演、杉咲花?」って感じ。

まぁストーリー的にも中心ではあるかもしれないけど、それでも全てのキャストがメインって感じのストーリー。

この本が出版された当時、何かの番組でストーリーを取り上げていた。

読んではいないけど、映像化は難しそうだなって思った。

「子どもたち」ということ、その対象が中学生くらいなのかと思ったから。

今回の「子ども」は10代って設定だけど、高校生くらい?

マイが制服で来ているわけだから、高校生設定か。

12人の死にたい子どもたち・・・

それは安楽死をしたいと望む子どもたち。なぜ集団自殺を望む人がいるのか私にはわからないのだけど、一人では出来ない、最後の勇気を求めているのだろうか?

管理人サトシの司令で集まった11人。

廃病院。昔の廃病院のイメージではない。受付とかも昨日までは人が居た雰囲気が残っているし、電気がまだ繋がっている。

そこに誰だかわからないまま、一緒に誘導されていく。

まぁみんなある程度普通の役。

高杉真宙が管理人のサトシ。一番に来たようになっているが、物語が進むうちに最初に到着した人間は実は違ってくる。

ケンイチが雑誌を読んでいる背後では人が動いている。

廃病院という暗い雰囲気ではないが、人気がないはずの場所で動く人があるのは不気味だ。

でも、ホラー的な要素はない。

ミツエはゴスロリ。まだ残っているのね。無名の女優さんだけど、かなり存在感はある。ゴスロリだからってこともあるけど、それでもよくいる芸能人の死に後追いするファンって設定。

帽子とマスクでほとんど顔が見えないリョウコ。多くの観客はリョウコ目当てなのか?

ケンイチが読んでた雑誌はリョウコがグラビアを飾っていた。

橋本環奈演じるリョウコは映画の中でもアイドル。自分とかぶった役で本音がありそうなセリフが続く。

シンジロウもある意味、新田真剣佑には見えない。かなりイケメンオーラを消してる。そして途中ではカツラを外す。うーん、自毛をハゲカツラ被ってさらにカツラを被って・・・手が込んでる。

黒島結菜演じるメイコはかなり強気な役。

そして主演になるの?

杉咲花、新田真剣佑、北村匠海、高杉真宙、黒島結菜

の順にタイトルではなっている。

その下に橋本環奈オンリー。

うーん、誰が主演?

杉咲花もまた黒尽くめの服装でまだ髪が長かった頃の撮影なのか?

以前の雰囲気のままの様相。彼女の特徴は「耳」それが髪からでているのが可愛く思う。

タカヒロ役は吃音症の青年ってことで大変だっただろうなって思う。

北村匠海のノブオ役もイケメンオーラはまるでなし。

セイゴ役の青年がレベルが下がってたかな。あぁ言う役だとどうしてもそういう感じになってしまうのかもしれないけど。

そしてマイ。彼女が制服でいることで高校生くらいの設定ということがわかる。

最後に登場するのがユキ。

これで12人。

のはずが、既に1人ベッドに横たわっている。

この役が一番大変だろうな。「死体」という役で微動だに出来ないわけで。

12人は「安楽死」をすることを目的で集まるが、「死体」があることで、問題提起を起こすメンバーがでてくる。

「なぜ?」な感情。

集団自殺をしなくても自殺が出来るタイプとそうではないタイプと。

そうではないタイプは最後の踏ん切りがどこかつかない。

そして「死体」が自殺なのか?他殺なのか?を探り出す。

いろんな場所に見られた遺留品。

それをグループに分かれて探しに行く。

マイとケンイチとセイゴのグループでマイはケンイチに言う。

「いじめられてた?」

ケンイチとの短い時間の中で彼の空気の読めないタイプであることを感じて彼女が言った言葉。

ケンイチは中学の時にまず担任からのイジメを受け、それが広まってしまったと。

ツッパリ風のセイゴはまだそんなに時間が経っていない関係性なのに「そんなの俺がどうにかしてやったのに」と。

マイも「空気が読めないタイプって人気者になる要素もあるんだよね」と。

自分が痛みを感じている者同士わかり合えるのか?

それぞれに死にたい理由は違う。

他人が聞いたら「そんなことで?」と思うことでも当人は真剣に向き合っている。

でも、他人の「そんなことで?」を聞いているうちにそれぞれの中に違う感情がでてくる。

そして、「死体」だと思っていたゼロバンのイビキが聞こえる。

生きていた。

そのことでまた別の感情がでてくる。

「生きて!」

自分たちと一緒に安楽死をさせてはいけない。

でも、このままでは死んでしまう。

シンジロウが解いていく一連の流れ。

そして最後はシンジロウが管理人サトシに決議を要求する。

「この会を中止にしたい人」

全員が挙手し、安楽死を回避し笑顔でそれぞれの場所へ戻っていく彼ら。

それを見ていてアンリはサトシに言う。

「何回目なの?」

3回目の開催であった。

まだ実行されたことがないことでサトシが集めている。

サトシは死にまとわりつかれていると言うが、安楽死したい人間同士を引き合わせて他人の「そんなことで?」を感じさせることで自分の「死にたい」と向き合わせているのかもしれない。

サトシはほとんど会話に参加しない。

参加者で自由に議論させることで彼らが本音でぶつかり合っていくことで変わっていく。

内容がすごく重いわりには展開がいろいろあって楽しめる。

時間もあっという間で同じ空間の若者たちも引き込まれているのがわかる。

そんな作品。

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