【小説 インターセックス】半日で完読。

貰い受けた本

美容師さんのところに持ち込まれて捨てられようとしてた本を貰い受けした中の1冊だった。

著者も作風もいろいろ。

「インターセックス」ってタイトルに手にとって読み始めた。

インターセックスって

正直、本のタイトルを見てもその意味がまるでわからなかった。

ただ、中をパラっと見て医学系ミステリー?って目星をつけて読み始めた。

先週は「コロナ黙示録」を読んだけど、久しぶりの読書。

電車通勤のときには読書しやすかったけど、今って、時間取るのが逆に難しい?

先月までは心の余裕もなくって感じもあったし。

さて、読み始めてみた。

著者の帚木蓬生という方も存じ上げてなかった。

あ、そんなことないのか。「閉鎖病棟」は映画を観た。その原作者の方ってことか。

専門が精神科医の先生ってことだけど、インターセックスというものについてとても良く理解が出来た。

まだ世間的には男女という括りでしか物事が計れない中で、性同一性障害という方がやっと認知されてきた段階で、「インターセックス」とはどんな人なのだ?

人間の身体が五体満足という状態で居ることは本来「奇跡」なのかもしれない。

目に見えないものが結びついて核分裂してって細胞が出来て・・・「人間」って個体が生成されるってよくよく考えたらすごいわ。

その中に、染色体によって臓器が区分けされてるってことも。

インターセックスは男性の染色体を持っていても本来の臓器が未発達だったり、両方ともがみ完全であったりということが知られてないだけでかなりの数存在するということ。

それでもそれに対応する医師の知識や教えるレベルがまだまだなことってことだろうか。

ミステリー要素が必要だったのか?という疑問はあるけど、まぁ回収って意味で言えば、そうなのかもしれない。

性同一性障害は脳と身体の不一致だから、ある程度自分の意思で手術を選択できるが、インターセックスはほとんどの場合が、親と医師の勝手な判断で「良かれ」と思う行動で実は当人が途方もなく傷ついているということだ。

産婦人科の理想のような病院。

人工授精の精子がすべて病院長って・・・リアルでもなんか事件になってた?

「エンブリオ」って作品が前段階にあっての今作のようだけど、多分、「エンブリオ」の回収にもなっているんだろうな。きっと。

さて500ページ超あった文庫本だけど、読みやすかったから5時間ほどで読み終わった。

止められなかったって感じで。

ミステリー要素は「エンブリオ」を読んでないとそこまで感じられないものかもしれない。

でも、いまある古書作品がなくなったら「エンブリオ」も読んでみようと思う。