角川映画
私の十代は角川映画全盛期だった。
監督をした作品はそこまで多いわけではないけど、製作した作品は多数。
そこからスタートした女優さんが今も活躍されている。
音楽は松任谷正隆さん。エンディングテーマはユーミンさん作詞作曲、正隆さんの編曲、手嶌葵ってほんといい感じしかない。
優しい雰囲気
松本穂香、奈緒という女優さん。あぁいい雰囲気な女優さんだなってことがわかる。
松本穂香はドラマなどもあまり前面に出るような役よりは黙って見ているような雰囲気の役のイメージ。
主演はこの若い二人だけど、周りにいるベテラン女優さんは初主演が角川映画の方ばかり。
子役時代の澪と野江もかわいい感じだったけど、名前は出てこない。
反町隆史演じる易者によって運命を決められてしまったような二人と言えるのか?
言われた言葉に自分の運命を当てはめてしまっていたりするのかもしれない。
大阪の大洪水で二人は生き別れになってしまった。澪は野江が探せず、生きているとは思ってなかったのかもしれないけど。
10年後、江戸で料理人をしていた。
そこの店主が石坂浩二さん。こちらも角川映画の人。蕎麦処「つる屋」の店主。上方の味と江戸の味の違い。お客には認めてもらえない澪の味をそれでも出そうとする。
牡蠣の食べ方も違ってたのか。
そこに御膳奉行の小松原役の窪塚洋介。なんか、久しぶりに「あぁ、窪塚洋介だ」って存在感を感じた。
町医者役の小関裕太がとてもキレイな感じ。
この二人の存在が澪を精神的に支えていた感じか。
澪を助けたのが若村麻由美さん演じるご寮さん。変わらずキレイ。
そして隣人が角川映画出身の浅野温子さん。私の好きな役柄の浅野さん。
浅野さんってすごいちゃっきちゃきな感じの「あぶない刑事」みたいな役が好きだけど、真逆のシリアスな役とかだとほんとに怖くて・・・って振り幅がすごい方だけど、私の好きな方の役だった。
常連客で来るのが口の悪い戯作者の藤井隆さん。これがまたすごいポイント高い。
存在感がありすぎる。あれはアドリブではないのか?ってくらいほんと笑ってしまう。そしてその妻が薬師丸ひろ子さん。
まぁ楽しい。
つる屋は澪の努力で人気店になるのだけど、当時もランキングなんて言うのがあったのね、日本橋登龍楼の店主役の鹿賀丈史さんに嫌がらせを受ける。
その頃、たまたま遊郭の料理人である又次役の中村獅童さんがお忍びで澪の料理を求めに来る。
中村獅童さんってこの時代の役が似合う。なんか違和感がない。多くの人がかつらに若干の違和感があるけど、中村獅童さん・・・しっくりきすぎ。
又次はあさひ太夫の料理人であった。そしてあさひ太夫こそ野江だった。
野江はつる屋の料理人が澪であることに気づく。
登龍楼の嫌がらせによってお店を焼失して意気消沈したところへ又次は澪に料理を作って欲しいと頼む。
渡された空の弁当箱には野江の手紙とお金が。
澪はそのお金でお店を復活させる。
お互いに会いたいが、遊郭に入った人間は一般の人には会えなかったのか?
まぁ、二人が一緒のシーンはあまりないのだけど、それでもお互いを思う感じがすごく良く出ててほんと良かった。
遊郭のシーンとかもやっぱりキレイだし。奈緒・・・顔がキレイ過ぎる。
化粧とは言え、あんなにツルンとするものか?
つる屋は御膳奉行のおかげもあって嫌がらせはなくなり繁盛する。
常連客の戯作者があさひ太夫について書こうとしていることを知り、それを止めるために料理対決を行う。そして、書いた戯作を自分に渡してほしいと願い出る。
戯作者は自分の書く結末の上をいく結末をするようにと言う。
小松原を想う澪と澪を想う小松原ではあったが、身分が違いすぎることもあり、小松原は見合いを行い、会えなくなることを暗に告げる。
感じ取った澪。
いろいろ思いが不自由な時代。それでもその思いが切なく良い。
まぁいろいろ良いのだよ。
ほんと久しぶりにこれはオススメって言いたい。
角川映画世代の人には観て欲しい。