誰も無理をしてない
作品の中で、誰もが年齢なりの役をできるとは限らない。
でも、この作品では役の年齢とほぼ同じくらいのキャスティングになっていて、誰も無理をしていないなぁという印象を受けた。
若い頃から見てきたから
佐藤浩市さん、山口智子さん、片岡鶴太郎さん、哀川翔さん。若い頃から見知っている方々が歳を重ね、見た目的な役作りをまるで感じさせない感じで役になっていたと思う。
佐藤浩市さんは近年は白髪で演じられることが多くなってきているけど、現在の御本人はどんな感じなんなんだろう?
片岡鶴太郎さんは、仙人のような雰囲気を受けていたし、ボクシングトレーナーも実際に取得していたと思うから、この役にはもってこいだったのだろうな。
山口智子さんは近年テレビドラマなどでたまにお見かけするけど、ここまで実年齢を隠さないような雰囲気の化粧は珍しい感じがした。
テレビドラマでは「あぁまだ若いなぁ」を思わせてくれる部分があるけど、この作中では、そこまで濃いメイクではなく、しっかりと年齢を重ねている雰囲気があったと思う。
哀川翔さんはテレビではサングラスを外さないスタイルだから、映画などでお顔を拝見すると最初は誰だろう?って思う。けど、笑った顔や声は哀川翔さんなので、気づくし、やっぱり「あぁ年を取ってきているんだなぁ」って感じられた。
まぁベテランキャストについては安心以外のなにものでもない心地良さがあるわけで。違和感もなく見られる。
さて、この作品のW主演が横浜流星。
役作りで初めたボクシングでC級ライセンスまで取得したというから、すごいなと。体型を変えるとかはあっても、プロライセンスまでって岡田准一か!って感じになる。
対戦する窪田正孝もボクシング役は初めてではないってことで二人共本当のボクシングの試合かってくらい熱がこもっていた。
まぁさすがに顔の傷とかはメイクだよね?って思うのだけど、どこまでが演出でどこまでが本当なんだ?ってくらい迫力があったと思う。
橋本環奈もめっちゃ薄いメイクで最初は「誰?」ってくらい印象が薄く、「やっぱりメイクで女性は変わるな」って思ったわ。
坂井真紀も近年は母親役が増えてきているけど、彼女もしっかりと年齢を感じられるし。
物語はなんだろう?なんかやっぱり佐藤浩市演じる広岡と横浜流星演じる翔吾の絆が・・・なんか「?」な感じで出来て、坂井真紀演じる母親もよくありそうなシングルマザーで男にだらしない系でそんな母親を守りたくてボクシングを始めるって・・・まぁよくありそうで。この流れがすごい陳腐に感じてしまう。
ボクシングを始めるってそんなことだけじゃないよね?って思うけど、こういう流れのほうが物語として成り立つから?
結局さ、母親を守るとかって言いながら、誰かのためにって弱い気がする。
で、結局は「春は散る」ってことでお互いに1度にかけたわけだけど、大体、なんで出戻りボクサーがすぐに世界戦とかってなるんだ?って不思議な感じしかなかった。
あれって1年半くらいの話し?もうちょっとあったのか?
桜は1度しか咲いてないからそのくらいなのか?って思ったのだけど。
そう、最後に母親が息子が失明するってことを知って?「なんでさせたの」って責めるけどさ、あんたは何をしてた?って思っちゃうわけで。
なんで息子は戻ってきたのか知らなかったのか?って感じしかなく、あー、もうこの系の映画は無理なのか?私って思ってしまった。
そう、疑問符だらけになるくらいならただ笑える映画の方がいいのかもしれないな。