一人ひとりが考えなきゃいけない
団塊の世代が終末期にさしかかろうとしている近年。
在宅医療とまたそれを介護する家族の問題、ケアワーカーとの関係など日本の終末期医療ってどうなんだろう?
現役医師の描く医療現場
「朝イチ」で原作者の南杏子さんを初めて知った。
原作者の方を知らなくても、この映画の存在を昨年の伊勢谷友介逮捕の時に知り、観ることは決めていたのだけど。
それでも原作者の方の思いを知って観るのはまたちょっと違う感じがした。
最初の救急救命のシーンに南先生もいらっしゃったしをわかるわけで。
オープニングシーンから思うことは人生は理不尽だなと。
刊行されてまだ1年経ってないのに、映画化されて公開されているってすごい作品だと思うんだよね。
そして内容も盛りだくさん。
日本人が見ないフリをしてきていることじゃないかって思う。
老老介護問題について国はどう考えているのだろう?
62歳で現役で救急救命の女医さんってすごいなってことから始まった。
吉永小百合さん演じる咲和子先生。
そして、国家試験に合格してないということで医療行為をしたことで咎められる野呂役の松坂桃李。
責任をとって地元の在宅医療の診療所に再就職をした咲和子先生。
その診療所の院長が西田敏行さん演じる仙川先生。
看護師が広瀬すず演じる麻世。
在宅医療について困惑する咲和子先生に麻世は「仙川先生と違う」と言う。
治療をしないといけないと思う咲和子先生。
在宅医療とは?
最初に出てくるのは末期の肺がんを患う芸者役の小池栄子。昨日は「地獄の花園」で最強OLだったけど、今日は芸者。すごいな。
末期の肺がんなのにたばこを吸おうとして咎められる。そして「たばこを吸わなきゃどれだけ長く生きられるのか?」と。
泉谷しげるさん演じる並木さんは老老介護をしている。奥さんが元気な頃はきっと横暴な感じだったのだろうけど、不器用ながらも奥さんを大事にしている。
その辺にいそうなご夫婦。
そこに突然、野呂が赤い高級外車で押し掛けてくる。
医大は卒業していても医師免許はない。
それでも、咲和子先生の元で働きたいと懇願する。
まほろば診療所のミーティング場の「STATION」というバーがとても雰囲気があっていいな。
マスターって誰だろう?って思っていたらみなみらんぼうさんだった。
お名前は知ってるけど、お姿を拝見することってあまりなかったから。でも、ギター持って歌いだしたらうまかったよね。
いろんな患者が出てくる。IT企業の社長役が代役を立てなかったキャラクター。
でも、伊勢谷友介で納得なんだよね。あれを見ちゃったら、代役は無理だよ。
石田ゆり子も患者として登場する。
咲和子先生を小さい頃から知っている存在として。
それでも終末期を迎えるにあたり、家族じゃない身近な存在を欲したのかな?
元高級官僚の末期の膵臓がんの患者役が柳葉敏郎。その妻が森口瑤子。
息子がいても長年会えずにいる。その息子に勝ったプラレールを見てきっと後悔しているんだろうな。
結局、最期に会わなかったとき、息子は将来に渡ってどういう気持ちになるのだろう?少なくないと思うんだけど。
唯一泣いてしまったのはやっぱり小児癌の少女。
誰だっけ?見たことのある少女だと思ったけど、エンドロールまでわからなかった。
萌役は佐々木みゆちゃんだった。
「大きくなったなぁ〜」
「万引き家族」から3年。CMでもずっと見てた感じだったけど、小学4年生になってるんだね。
撮影時は去年だから3年生だったのだろうけど、それでもやっぱり成長を感じた。
身長が伸びた。
演技が・・・やばいくらいすごかった。
小児がんってだけでもやっぱり痛い。
その母親が南野陽子さんだったけど、面影はあるけどわからない感じだった。
そして咲和子先生の父親役の田中泯さんがやっぱりすごかった。
大体、吉永小百合さんと田中泯さんって同じ年(3日違い?)なんだけど、父娘って・・・
吉永小百合さんすごすぎ。
原作がしっかりしているんだろうなって思うけど、いろいろ考えなきゃな問題がたくさんあっても最期の父娘のシーンはかなり良かったと思う。
でも、父親の思いはわかる。
私も「生かされる」のは嫌だ。
ほんとさっさと国は自己の死に対する権利を認めて欲しい。
成熟してないのか?
医師という人たちはきっとずっと勉強することを仕事にしているのかと思うけど、それはごく1部でなぜかお金儲けにしか興味がなくなる人たちになっているからいけないんだろうな。
そして医師という職業、また高級官僚、高級国民という人種は「死ぬ」ことは自分には無関係と思っているのか?
まず「生きる」ことへの思いが強そうな印象がある。
だから、コロナのワクチンも我先に接種されたいわけでしょ?
タブーって何?タブーにしたい意味は何?