すごく観たかった作品
劇場予告を観たときから、観たくて楽しみにしていた作品がやっと公開された。
期待をまるで裏切らないほんとに素晴らしい作品だった。
北斎の二人
4部作になっていて、青年部・壮年部が柳楽優弥、老年期が田中泯さん。
顔の造りは違うのに、「目」の力強さが二人とも同じだった。
葛飾北斎という名前は知っている。
が、どういう人物だったのかなんて知らなかった。
「波」という作品の凄さを知ったのは多分この10年くらいだ。
波を見て、あのように見えるかと言ったら、見えない。
カメラでシャッタースピードをかなり上げて瞬間を写さない限り、波しぶきを感じることはなかった。
それをあの時代に自分の見たままに描いた北斎という人のすごさ。それをどう映画化するのだろう?
青年期の北斎は絵を描くことと商売にすることを気づけずにいた人だったのか。
阿部寛演じる蔦屋重三郎に目をかけられ、ヒントを与えられているが、若さゆえにそれに気づけない。
写楽、歌麿が同じ時代なのか。
版画ってすごいね。
描く人もすごいけど、それを版画で刷り上げる技術もすごいな。
デジタルの時代だからこそ、その価値を感じる。
死物狂いで追い求めるもの。
その結果が「波」だったのか。
90歳まで生きてたくさんの作品を遺した人。
映画では脳溢血で一時手に麻痺がある状態で、伊豆まで行き、そこから富嶽三十六景を発表したのか?
不自由になったから見える景色、感じるものがあるということなのか?
見えるってどういうことなんだろう?
挿絵を描くことで本の評判が良くなるって凄すぎる。
映画になるまで北斎という人のことを知らなかったし、漫画も作っていたとか知らなかったし。
二人の北斎とその周辺の人と、ほんとに素晴らしい作品だった。
2時間半という時間ではあったが、それでももっと掘り下げて知りたいくらいだった。