【映画 かくしごと】感想。社会問題としてあるのだろうな

介護問題と虐待と

この作品の中には大きな問題が2つある。

介護問題は私の世代くらいから現実味が出てくるのだろうが、突然降って湧いたように感じる人が多いのも事実なんだろうな。

しかも核家族化した世代。独立した子供が親の介護を考えるのはかなり難しいように思う。

要介護認定

この作品では杏演じる千紗子が奥田瑛二演じる父が徘徊していたことで呼び戻されるところから始まる。

奥田瑛二が奥田瑛二ではない。

痴呆症を患った人。怖いくらいに。

奥田瑛二さん自身、奥様の安藤和津さんのお母さんの介護を手伝っていたということが安藤和津さんの書籍に紹介されていたから、その時の体験や経験があったのだろうか。そんな感じを受けた。

千紗子の友達が佐津川愛美演じる久江。久江が市役所に勤務をしていることから、千紗子に連絡を取っている。

彼女が居なければ、千紗子は介護に巻き込まれることはなかったとも言えるのだろうが。

千紗子と久江の関係を見ていても「友達」って・・・めんどくさ。ってことしかなかった。

子育てをしている久江を無理やり飲みに誘い、自身だって痴呆症の親を放っておくことはどうなんだ?って感じだろうと考えてしまう。そこが難しいところだな。

まぁ飲みに行き、最悪な事態に遭遇し、虐待されている痕がある少年と遭遇するわけなのだけど。

少年は何も覚えていないと言う。

その子は川遊びで行方不明になっている少年だということがわかっても虐待されていることには変わりはないからと自分が育てることを選んでしまう。

少年に名前を与え、少年も痴呆症の父の扱いに慣れていく。

3人だけの関係が次第に馴染んでいく。

要介護状態の親の介護は、子育て以上に大変だろうなと思う。

人は子供にかえると言うが、これから積み上げていく存在と積み上がった状態では大変さは比べものにならないだろうなって。

最後には千紗子の安易な行動から全てが破綻していくということだろう。

それでも彼女はきっと自己満足の中で生きていけるタイプなのだろう。少年はどうなったのだろう。父親は千紗子が介護ができる状態の時には入れる施設がないと言うことだったが、介護ができなくなれば入れる施設があるんだなという現実。

親の介護はお金でどうにかできる時代でもなくなっていくのかもしれない。介護世代が増え過ぎて施設の確保はどうなのだろう?とかあまりニュースにならないが、現実的ある話しだろう。

自分の世代はベビーブームなわけで。20年後、30年後に一気に介護され世代になるわけで。